プロジェクトクロストーク働く環境改革プロジェクト

クロストークの概要

制服から私服へ
自分らしく働くオフィスカジュアルプロジェクト

イノベーションプロジェクト活動提案制度を通じて生まれた、働く環境改革、オフィスカジュアルプロジェクト。服装を変えることで個性が花開き、ダイバーシティにも繋がったプロジェクトを紹介します。

参加メンバー

  • 特機製造|Kさん

  • 総務|Hさん

  • 人事|Oさん

  • 経理|Mさん

起|
オフィスカジュアルプロジェクトチームの発足

  • 人事|Oさん

    組織にイノベーションを起こす提案を社員から公募し、カタチにしていく“イノベーションプロジェクト提案活動”という取り組みがあります。この活動にオフィスカジュアルプロジェクトを応募したのが事の発端です。最初はMさんの「オフィスカジュアルをやろう」という一言で始まったように覚えています。そこから私を含め、ここにいるメンバーが集まりプロジェクトチームとして動き出しました。

  • 経理|Mさん

    オフィスカジュアルプロジェクトを思いついたのは、当社の社屋が新設されるタイミングで、いろんな会社のオフィス環境を調べたことがきっかけです。当時、大手文具メーカーのオフィスを見学させてもらう機会がありました。その会社ではオフィスカジュアルが導入されていて、各人が思い思いの服装で仕事をしていました。とても自由で華やかな印象を持ちました。その時の記憶が残っていたので、イノベーションプロジェクト提案活動の話を聞いた際に、オフィスカジュアルをやろうと思いつきました。とはいえ、一人ではできないことですので、Hさんに声をかけました。

  • 総務|Hさん

    「制服や作業服に課題があるから、それを変えるようなプロジェクトをやらない?」って声をかけてもらって。すごくいい取り組みだと思ったので、Oさんにも声をかけたんです。Oさんはキャリア入社されているのですが、以前に勤務されていた職場がオフィスカジュアルだったと聞いていたので、その経験をこのプロジェクトに活かしていただきたいと思いました。こうして、オフィスカジュアルプロジェクトが動き始めました。

Kさんは、いつから参加されたのですか?

  • 特機製造|Kさん

    プロジェクトチームの発足から1ヶ月後です。私は製造部に所属していますので、もちろん現場では作業服を着ています。昨今、気候変動の影響で、酷暑日が多くなってきていますが、現在の作業服は10年以上モデルチェンジされておらず、通気性やストレッチ性に乏しい部分がありました。そのような中、私は作業服の改善活動に取り組んでおり、いくつかズボンを取り寄せてトライアルを行ったのですが、ズボンだけを変えると上着とバランスが悪くなってしまうため、再検討する必要がありました。なかなか難しいものだと思っていたタイミングでオフィスカジュアルプロジェクトが動き出したと聞き、参加させてもらいました。

承|
経営陣を前に熱いプレゼンテーション

  • 総務|Hさん

    社内公募へのエントリーでしたので、私たちのプロジェクトが採択されるかどうかは経営陣へのプレゼンにかかっています。そこで、プレゼンに向けた準備をはじめました。まずはプロジェクトの目的を明確にすること、そして、現状の課題を洗い出し、他社の事例も集めたプレゼン資料をつくることにしました。プロジェクトの目的は決められた服装ではなく、自分が選んだ服装でいきいきと働くというもの。ダイバーシティの観点からも、個性を発揮できる環境づくりにオフィスカジュアルが役立つということが考えられたので、同様の事例がないか、他社の取り組みを調べることにしました。

  • 人事|Oさん

    他社の事例は私が集めました。多くの企業のサイトを閲覧しましたね。そのほかの作業はそれぞれ役割を分担して資料作成にあたりました。Hさんが全体統括をされて、Mさんには作業服のリニューアルについての方向性を取りまとめていただきました。

  • 経理|Mさん

    作業服の変更はなかなか大変です。安全性の保持が第一にありましたし、作業服を着なければいけないエリアとそうでないエリアとの境界を今までよりも明確に提示しなくてはなりませんでした。普段、オフィスで働く私たちだけでは、作業服の課題や必要な機能など、わからない部分があったのでKさんのご意見にとても助けられました。

  • 特機製造|Kさん

    そう言われると少し照れるのですが…。過去に実施していた作業服のズボン改善トライアルの成果を活かす機会に恵まれたので、むしろありがたかったです。ズボン改善トライアルの際には、本社工場で働く方々の意見はもちろん、お客様先に出向くサービススタッフの意見なども取りまとめていましたので、そこで集めたみんなの声をカタチにできるかもしれないというワクワクがありました。

チーム一丸となってプレゼンを行ったのですね?

  • 総務|Hさん

    チームワークを発揮できたと思います。そもそも、私も含めプロジェクトチームのメンバーは誰も経営陣にプレゼンを行った経験がありませんでした。会社の環境を変えるような提案資料をつくることも初めてです。だからこそ、みんなで何度もミーティングを行って、様々な考えを取り入れながら、正確かつわかりやすいプレゼンの準備を進めていきました。

  • 経理|Mさん

    本当に推敲に推敲を重ねましたよね。プレゼン方法や資料作成に関して、一から学びながらつくっていきましたから、資料が完成するまでに半年の時間を要しました。

  • 特機製造|Kさん

    プレゼン本番は緊張しましたね。社長をはじめ役員全員が参加されましたので。そんな中、30分間プレゼンを行いました。もちろん、プレゼンの後には役員のみなさんからの質問がくるわけですが、プレゼン準備期間に、この質問が来たらこう回答するといった想定問答を繰り返していたので、うまく対応できました。

  • 人事|Oさん

    プレゼンの感触ですか?はい、経営陣の皆さんにオフィスカジュアルの必要性を感じていただけたと思います。ただ、「経営陣だけではなく、ほかの社員のみんなが賛成なのか確認してほしい」という意見をもらいました。大変な回答をもらったと思う反面、ここがユーシン精機のいいところだとも思いました。トップダウンで決めるのではなく、みんなの意見も踏まえてイノベーションを起こしていくという点に共感し、社員アンケートを実施することにしました。

転|
個人の自由を尊重した改革にしたい

  • 人事|Oさん

    アンケートの結果は過半数以上がオフィスカジュアルに賛成、またはどちらでもOKという好意的なものでした。ただ、少しでも反対する人がいる以上、その方々の思いも尊重できるようなオフィスカジュアル制度にしていかなくてはならないと私たちは考えました。

  • 経理|Mさん

    オフィスカジュアルは強制ではない。カジュアルな格好をしてもいいし、今まで通りの制服や作業服を着ても構わない。大切なのは自分が自分らしく働ける服装を選べるということ。そういう形を目指していくことにしました。

  • 総務|Hさん

    一方で個人の自由という言葉を使うと、職場にふさわしくない服装をされる方も出てくるかもしれないという懸念も浮かびました。「TPOに合わせた服装をしてください」とお願いをしたとしても、そもそもTPOの解釈が人それぞれに違うということもあります。そこで、オフィスカジュアルNG例を考えることにしました。OK例を提示すると、みんなその服装になってしまいますので、オフィスカジュアルを導入した意味がありません。これはNGだ!と思われるような露出度の高い服装や、だらしのない服装を数点だけ紹介し、あとは各人の考えでオフィスカジュアルを実施してもらうことにしたのです。

  • 特機製造|Kさん

    作業服においては、現状、それぞれの部署によってルールが違うという問題がありました。長袖を着て作業しなくてはいけない部署もあれば、半袖でも良い部署もあります。もちろん業務内容の違いからそのようになっているのですが、この点に関しても改善をしていきたいと考えました。ここのエリアに入るときには長袖、ここは半袖、ここはオフィスカジュアルといったように、エリアごとに服装を選べるルールづくりをはじめました。

社員の反応は?

  • 経理|Mさん

    まだトライアルの段階ですので、これからいろんな声があがってくるとは思うのですが、私の感覚としては社内のコニュニケーションが増えたと思っています。トライアルを始めるにあたって、上司が部下に「その服装いいね」とか「それだめなんじゃない」といった問いかけをする機会になればと思っていました。実際にはじめてみると、そういう声がちらほら挙がっているように思います。私も後輩から「Mさんってそういう服が好きだったんですね」と声をかけてもらいました。今まで制服で隠されていた個性の部分が見えるようになったので、社員同士の距離がさらに近づいたように思います。

  • 総務|Hさん

    私の話をすると、やっぱり毎日、どんな服を着ていこうかと考えるのは楽しいです。不思議なんですけど、服装によって気分が左右されることってあると思うんですよね。そういう自分の気持ちと素直に向き合えるから、仕事にも良い影響が出ていると思っています。実はトライアルが開始されたとき、経営陣の中には『みんなどんな服装でくるのだろう』と心配していた方もいました。いざはじまってみると、それは取り越し苦労だったようで「あの格好いいよね」といった言葉を口にされていました。社員だけではなく経営陣にまで刺激を与えることができているのは嬉しいですね。

  • 特機製造|Kさん

    作業服はまだ検討段階にあるため、これから変わっていくことになると思います。作業服のリニューアルが進む際にはトライアルを実施すると思うのですが、「安全性と機能性さえ守れれば、自由に検討できる」と言えるようにしたいですね。なかなか難しいかもしれないですが、高い理想を持って進めていきたいです。

  • 人事|Oさん

    オフィスカジュアルは単に服装を変えるということではなく、社員に選択の自由をもたらすものだと思います。自らTPOに応じて着る服を考え選ぶ自由さ、自身に選択権があるんだということを理解いただくのが最も大切な点です。服装一つとはいえ、個人に選択の自由がある組織だから、のびのびと仕事ができると感じてほしいです。

結|
プロジェクトを通じて得た、視界の広がり

  • 経理|Mさん

    制服って人に役割をあたえる力があると思います。これまで制服を着て仕事をしていましたが、オフィスカジュアルに変わったことで、制服の持つ役割意識から解放されたように思います。もっと自由に、もっと自分の個性を発揮して、いろんなことにチャレンジしていい。そんな風に思える気がしています。それともうひとつ。これはちょっと変な話ですけど、私は社歴が長いので、ほかの部署にいくと「先輩が来た」と萎縮されているような気がしていました。でも、オフィスカジュアルになってからは、私に対する印象も少し柔らかいものに変わったんじゃないかなと思っています。

  • 特機製造|Kさん

    服装が変わると話しかけやすくなるんですよね。きっと服装からキャラクターが見えるからでしょうね。工場にはいろんな部署の社員が来るのですが、今まではみんな制服を着ていたので、一見誰なのか見分けがつきにくかったんです。それがオフィスカジュアルになってからは、「あ、○○さんが来た!」と、雰囲気で誰だかわかるようになりました。何より私服の人が歩いていると、場の雰囲気が明るくなるんです。今後、作業服の改革が進むと、もっと明るく自由な雰囲気の漂う会社になるのではないでしょうか。

  • 人事|Oさん

    このプロジェクトに参加していなかったら、現場で仕事をされているKさんとここまで話をすることもなかったと思います。MさんやHさんも、同じバックオフィスではあるものの部署が違うので、関わり自体は深くはありませんでした。それがお互いの考えを語り合う機会を通じて、理解し合えるようになったと思います。さまざまな部署、さまざまな仕事、さまざまな立場の人がいることを『服装』を通じて改めて知ることができました。それぞれの業務への理解が深まり、立場や個性を尊重する意識も高まりました。もちろん、会社への理解も深まったように思います。

  • 総務|Hさん

    もっと会社を良くしたい!そういう想いが叶う組織なんだということを、プロジェクト活動を通じて改めて感じられました。このクロストークを見て入社された方にも、ぜひ、積極的に組織をよくするアイデアを出してもらえればと思います。実際に改革を推進していくのは大変ですが、その分、自分が会社を育てているという感覚を得ることができると思いますし、何より自分自身が大きく成長できると思います。